Background FetchとBackground Transferの違いについて
今回はBackground FetchとBackground Transferについて筆者が混同していたことについて書こうと思います。Background Fetchのできることや使いどころは前回書きましたので、そちらをご覧下さい。
もともと筆者がBackground Transferに着目した理由はBackground Fetchでは不可能な長い時間の処理を実現させたいからでした。Background Transferでは見事にその想いを実現できる!!っと思っていました。
しかし、どうやら根本的に理解が間違っていたようなのです…。
Background Transferは時間制限なし, アプリケーションの状態によらない転送が可能な設定があるという特徴があります。そして設定可能なタスクは
・NSURLSessionDataTask: Background起動時には使えないのでちょっとした通信に利用
・NSURLSessionDownloadTask: 大容量のダウンロード処理だけでなく、処理時間が長い可能性のある通信でも利用可能
・NSURLSessionUploadTask: 大容量のアップロード処理で利用
の3つがあります。
筆者はBackground Fetchの30秒制限では実行不可能な長めの処理をBackground Transferで実行しようとしたのですが、これがなかなかうまくいかないんですね。1回の実行であれば、Background Transferで問題ありません。ただ、繰り返し処理を実行したいのであればBackground Transferは向いていません。というかそういった処理は組めないようなんです…。
Background fetchとBackground Transferを組み合わせた場合、下記のような処理になるでしょう。
AppDelegate.mファイル内のコード
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 |
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これを実行すると、completionHandlerでBackground fetch内での処理が終了したと見なされ、didFinishDownloadingToURLを通過しませんでした。
よって、アプリがBackground起動のときにOSが判断したちょうど良いタイミングで実行してくれるBackground Fetchではやはり長い処理を実行することはできないと言えます。
確かにBackground Transferで検索して出てくるサンプルは大体、ボタンを押した後に実行される感じだったんですよね…。
もしかしたら方法があるかもしれませんが、今のところ手詰まりな感じです。ってことで今日はここまで。
参考:
第 1 回・iOS7でバックグラウンド実行&通信をしてみよう!
iOS 7のための開発ノウハウ #2:大容量ファイルのバックグラウンド転送